大相撲の新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が28日、部屋がある東京都江戸川区の小岩小学校で、初優勝&横綱昇進の報告会を行った。集まった約4500人の地域住民に「すごい」と驚き「一生懸命稽古して、横綱の名を汚さぬよう精進してまいります」と誓った。

 14年末の部屋の移転から2年。地域総出の祝福だった。午前11時の開会には朝6時半から人が並び、警察官約50人、区や学校関係者約100人が対応にあたった。部屋から学校までの約1キロはパトカーが先導。栃若時代の第44代横綱栃錦に続く小岩から2人目の横綱に、下町を興奮させた。

 児童からの質問で「一番大切なもの」を聞かれると「感謝の気持ち」と回答。「どのくらい米を食べるか」には「10代、20代前半は1升くらい食事したこともあったが、今は茶わん1杯くらい」と答えて「え~っ!?」と驚きの声が上がった。握手した児童は「手を洗えない」と興奮していた。

 そんな姿に横綱は「うれしい。自宅から通うときにたくさん声をかけてもらい、優勝が決まったときはたくさんの人が部屋の前で迎えてくれた。あたたかい。第2のふるさとみたいなもの。もっと頑張らないといけない。地域貢献していきたい」。土俵の鬼の初代若乃花だけではない。小岩では「第2の栃錦」になる。【今村健人】