プレーバック日刊スポーツ! 過去の2月21日付紙面を振り返ります。2016年の芸能面(東京版)は大相撲の横綱白鵬の歌手デビューでした。

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 大相撲の横綱白鵬(30)が歌手デビューする。大阪出身の歌手Kae(35)とデュエットする、東日本大震災応援ソング「アサガオ」が24日に発売される。現在、歌手としてCDを発売する現役力士は白鵬だけだ。同曲は14年6月にテレビ東京系バラエティー番組「志村&白鵬のすごいんでないの」内の企画で、東日本大震災の復興応援ソングとして制作された。番組内で歌唱したところCD化を望む声が殺到。その反響の大きさから発売が決まった。

 当初、番組用に収録した音源を使用する予定だったが、白鵬が「より良い作品を作りたい」と〝待った〟をかけ、再度レコーディングを実施した。収録当日、音楽プロデュースを担当した俳優柏原収史(37)がOKを出しても、白鵬は何度も歌い直しを直訴。納得のいくまでやり抜く姿に、柏原は「頂上を極めた人の集中力には脱帽です」と驚いたほどだ。

 レコーディング前、白鵬は、移動の車中などで何度も曲を歌唱して本番に備えたという。周囲には「少しでも、この曲が被災地の皆さんの力になれば」と語っている。Kaeも「歌に対する横綱の真剣な姿勢を間近で見て、被災地に対する強い思いを感じた」と感激しきりだ。

 もうじき震災から5年を迎える。復興への願いを込めた〝平成の大横綱〟の歌声が、24日から全国で流れる。

※記録と表記は当時のもの