日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。

 日本出身としては98年名古屋場所の若乃花(3代目)以来の新横綱になり、横綱在位の日本出身力士としては03年初場所の貴乃花以来となった稀勢の里(30=田子ノ浦)は、4横綱の中では序列最下位となる西の2枚目に番付された。4横綱は00年春場所の貴乃花、曙、武蔵丸、若乃花以来、17年ぶり。新入幕から73場所を要し、昭和以降の新横綱41人中、最スロー昇進となった稀勢の里の土俵が注目される。

 春場所初日前日の3月11日に32歳の誕生日を迎える白鵬(宮城野)は、5場所ぶり史上最多の38度目の優勝を目指す。番付は4場所ぶりに、序列最高位となる東の正位に就いた。

 照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は2場所ぶり4度目の大関かど番。琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)が関脇に陥落したことで大関は、豪栄道(30=境川)と合わせ14年名古屋場所以来の2人となった。なお、大関からの陥落は14年初場所の琴欧洲(現鳴戸親方)以来、昭和以降では25人(30回)目となる。

 規定により琴奨菊は、今場所10勝を挙げれば大関に復帰できる。関脇に陥落した05年初場所で11勝を挙げ、翌場所で返り咲いた栃東(現玉ノ井親方)以来の大関復帰なるか、にも注目される。

 他の関脇は、玉鷲(32=片男波)が2場所連続(三役は3場所連続)、高安(26=田子ノ浦)は2場所ぶり(三役は5場所連続)の復帰。関脇3人は14年春場所(豪栄道、琴欧洲、栃煌山)以来になる。小結は、御嶽海(24=出羽海)が2場所ぶりの復帰、正代(25=時津風)は新三役だった初場所の関脇から降格して初の小結。

 宇良(24=木瀬)は、ご当所の大阪府からは昨年春場所の大翔丸(25=追手風)以来、戦後21人目の新入幕。関学大からは初めてで、学生相撲出身では昨年九州場所の北勝富士(24=八角)、石浦(27=宮城野)以来、89人目の幕内力士となった。再入幕は3場所ぶりの大栄翔(23=追手風)、2場所ぶりの旭秀鵬(28=友綱)、3場所ぶりの徳勝龍(30=木瀬)の3人。

 新十両の朝乃山(22=高砂)は、富山県からは88年九州場所の駒不動以来、戦後9人目の新十両。97年夏場所の琴ケ梅以来、約20年ぶりに富山県出身力士が関取(十両以上)として番付にしこ名が載った。高砂部屋としても15年九州場所の朝弁慶(28)以来の新十両で、関取輩出が140年目の今年初場所で途絶えたが、1場所で復帰することになった。近大からは11人目で、学生相撲出身では121人目の関取誕生となった。再十両は、2場所ぶりの北はり磨(30=山響)と3場所ぶり復帰の富士東(29=玉ノ井)の2人。幕下では西筆頭の貴源治(19=貴乃花)が、貴乃花親方(元横綱)が育てた3人目の関取の座を狙い、東2枚目の豊ノ島(33=時津風)は昨年秋場所以来、4場所ぶりの関取復帰を目指す。

 3月10日の取組編成会議で、幕内の初日、2日目の対戦相手が決定。12日の初日を迎える。