善戦むなしく東前頭３枚目の松鳳山（３３＝二所ノ関）が、新横綱の逆転技に屈した。

　突き押しで稀勢の里（３０＝田子ノ浦）のアゴを上げて攻め込み、二本差しから俵に追い詰めた。懸命に寄り、６日目の鶴竜戦に続く今場所２個目の金星なるか…と思わせたが、稀勢の里に左上手を与えて残されると、最後は右から突き落とすようにしながら、左からの小手ひねりで逆転負けした。

　いつもとは違い、土俵下から集中力を高め、新横綱に初黒星をつけるべく臨んだ一番。「集中力マックス！　使い切りました。明日はダメでしょう」と風呂上がりは精根尽き果てた様子だった。新横綱を追い込んだ攻めの相撲にも「館内も沸きましたよね。善戦しました。見せ場もつくりました」と納得の様子。ただし、稀勢の里の余裕も感じたようで「横綱は攻めさせてくれたけど、攻め切らせてはくれなかった。ジックリ料理されました」と格の違いに脱帽の様子だった。