横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)が、関脇玉鷲(32=片男波)に寄り倒されて、4敗目を喫した。

 集中力が武器の日馬富士だが、この日は異様な場内の雰囲気に心が乱れた。直前の取組で変化して琴奨菊を下した照ノ富士へのブーイングが止まらず「オレが土俵に上がってるのに、すごい言葉を言ってくるから」と戸惑った。

 「相撲を取るどころじゃなかった。集中してるけど耳に入ってしまう。次の一番に集中してる人のことも考えてほしい。大けがにもつながるから」と、ヤジを続けた観客に苦言を呈した。一方で、優勝に近づいた弟弟子の照ノ富士にも「今日の内容は悪いよ」とチクリ。前日の対戦で左肩から胸付近を負傷しながら強行出場した稀勢の里については「(思うことは)ないよ。勝負だから」と多くを語らなかった。