大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)を自己最高位の東前頭筆頭で迎える千代の国(26=九重)が10日、充実の予行演習? で汗を流した。

 この日、出稽古に来た横綱白鵬(32=宮城野)に、三番稽古(同じ相手と何番も連続して取る)の相手に指名された。白鵬がグイと伸ばした腕を、下から懸命にあてがいながら外し、別の一番ではいなして逆転勝ち。11番取って2勝9敗だったが、稽古相手に指名された喜びを発散させるかのように、充実の汗を流した。

 勝った2番に「いやいや、逃げただけですよ」と謙遜し、横綱の印象は「すごい。何回も倒された」と圧倒された様子。これまでも何回か出稽古に来た白鵬と手合わせはしたが、今場所は初対戦が確実なだけに「そう思うと、いつも(の稽古)より緊張しました。本場所では(館内の)空気にのまれるかも」と、横綱・大関戦は未経験なだけに不安な胸の内も素直に明かした。ただ、両膝の大けがなどで一度、三段目まで落ちてはい上がってきた男。「少しでも見せ場を作りたい。堅くならず集中して」と、既に戦闘モード突入の準備は出来ているようだ。