大関高安(27=田子ノ浦)が正式に誕生した。日本相撲協会は5月31日、名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、高安の大関昇進を全会一致で承認した。都内のホテルで行われた伝達式では「正々堂々」の言葉を口上に使い、兄弟子の横綱稀勢の里との同部屋優勝決定戦にも思いをはせた。

<大関昇進時の主な口上>

 ◆シンプル四字熟語 一番多いのが「一生懸命」。初代貴ノ花に始まり、北の湖、若三杉(2代目若乃花)、千代の富士や朝潮、霧島、朝青龍らが用いた。武双山は「正々堂々」、栃東は「努力精進」と述べた。

 ◆難解な四字熟語 変わったのは貴ノ花(貴乃花)の「不撓不屈(ふとうふくつ)」から。若ノ花(3代目若乃花)の「一意専心」、貴ノ浪の「勇往邁進(まいしん)」と続いた。白鵬と日馬富士は「全身全霊」、琴光喜は「力戦奮闘」、琴奨菊は「万里一空」。

 ◆個性的 病気がちな隆の里は「健康管理に努め…」と独特で、武蔵丸は「日本の心を持って…」、出島は「力のもののふを目指し…」と述べた。鶴竜は「お客さまに喜んでもらえるよう…」と表現。豪栄道は「大和魂を貫いてまいります」と言い、照ノ富士は「さらに上を目指して精進いたします」と、綱とりへの意欲を含ませた。