大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が「完全復活」を誓った。地元茨城県牛久市で10日、郷土後援会激励会に出席。昨年の2・5倍となる過去最多約500人を前に「名古屋は横綱の責任として15日間全うしたい。完全復活を目指して頑張ります」と約束した。

 関取昇進の04年から14度目の今年、やっと横綱として出席できた。「感謝の気持ちを1人1人に伝えたかった」と1時間もサインに応じた。そんな男は「都道府県魅力度ランキング」で4年連続最下位にあえぐ地元の救世主にもなる。橋本昌県知事は「稀勢の里関を使った茨城県のポスターを全国にまく。茨城県を有名にしてほしい」と頼んだ。

 感謝の花束を贈った父貞彦さんには「少し太りすぎ。断食しろ」と指令された横綱。「優勝2度ではまだまだ(地元に)恩返しし切れない。もっと優勝回数を伸ばしていきたい」。名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)に向けて、すべきことは分かっている。