大相撲の友綱部屋を11日付で継承し、モンゴル出身初の師匠となった元関脇旭天鵬の友綱親方が13日、東京都墨田区の同部屋で本格的な指導を始めた。

 42歳の新米師匠は「力士の個性をうまく見極めて教えていきたい」と表情を引き締めた。

 師匠の定位置とも言える上がり座敷の中央に初めて座った。「景色が違った。全部を見渡せる」と責任者の立場をかみしめた。一方、稽古場に下りて力士に助言するのはこれまでと同じだった。

 1992年にモンゴル勢の先駆者として来日し、2012年夏場所では37歳8カ月の史上最年長初優勝の快挙を達成した。

 自身が入門した大島部屋は「旭」、移籍した友綱部屋は「魁」の字がしこ名に付くのが定番だった。これから入ってくる弟子には「鵬」を付ける可能性を挙げ、希望者がいれば「旭天鵬」の名を与える意向を持つ。

 明治から大正時代に活躍し、56連勝を記録した横綱太刀山を輩出した伝統の部屋。先代師匠(元関脇魁輝=現大島親方)の定年に伴って受け継ぎ、今後は部屋に引っ越してスカウト活動も本格化させる。

 「相撲がなければ今の人生はない。日本に来て感じたことや礼儀、人付き合いも教えていきたい」と力強かった。