昨年のアマチュア横綱でデビュー2場所目を迎えた、東幕下11枚目の矢後(23=尾車)が、この日も勝って4勝目。無傷のストレートで勝ち越しを決めた。

 同13枚目の琴太豪(24=佐渡ケ嶽)と対戦。左の前まわしを引いて相手に圧力をかけ、右上手も十分に引きつけながら、寄り切りで快勝した。

 両まわしを引いて、少し間を置いて勝負に出た。幕下上位ともなれば、土俵際で詰めを誤れば落ちし穴にはまる危険性もある。じっくり行ったのは「それ(最後の詰め)もあります。上手をちゃんと取れていたので、焦らずにしっかり行こうと思いました」と、すっかりプロの土俵にも慣れてきた様子。先場所4番相撲でも押し出しで破った相手で「先場所も勝っていたので負けられないと思った」と雪辱を期す相手を返り討ちした形だ。

 先場所は1敗を喫してからの勝ち越し決定。今場所は無傷で勝ち越しを決め「ひとまず安心しました」と本音をもらした。ストレートで決めたのは「慣れたことと一番一番に十分、集中してたことが要因」と自ら分析。「攻めが遅いからノソノソでなく早く前に出ること」と先場所で感じた課題を改善して実践できている。

 残り4番。このまま全勝で乗り切り7戦全勝なら、15年名古屋場所で新十両昇進を果たした御嶽海(出羽海)以来となる、所要2場所で関取の座を射止めることが確実となる。「ここから、どれだけ勝てるか。(ここからの1番の重みは)十分、感じてます。全部、勝つつもりでいます」と頼もしく話した。