運に見放され再び黒星先行となった。新十両で西十両14枚目の翔猿(とびざる、25=追手風)が、1日2番のスタミナ切れで4敗目を喫した。

 3勝3敗で迎えた誉富士(伊勢ケ浜)戦。相手の突き、押しに応戦し、後退しても土俵を回りながらしのいだ。土俵際、誉富士の押しに体を弓なりに反らしながら、左から突いて逆転。誉富士の体が先に着いたように見え、行司軍配も翔猿に上がった。だが、物言いがつき、協議の結果は同体とみて取り直し。肩で息をしながら再度、土俵に上がった翔猿だが、取り直しの一番は左のハズ押しで誉富士に出られ、一方的な相撲で押し出された。

 174センチ、120キロ弱の小兵だけにスタミナ切れは明らか。取り直しの場内アナウンスを耳にし「体力的に苦しかったから、聞いたときは『終わったな』と思いました。スタミナが…。あっけなかったですね」と、お手上げの様子だった。最初の一番は「勝ったと思った」と勝利を信じたが、結果は取り直しの末に黒星。「仕方ありません。切り替えますよ」と、くよくよすることなく前を見据えた。