プロデビューから2場所目を迎えた、昨年の学生横綱で西幕下23枚目の水戸龍(23=錦戸)が、5番相撲に勝って3勝2敗とし勝ち越しに王手をかけた。

 東幕下25枚目の南海力(29=木瀬)と対戦。右をのぞかせながら向正面に寄り立てた。半身で粘る相手を、左から押しつぶすような上手投げで仕留めた。これまで、不十分な体勢でも「焦って何が何でも前に出ていた」と本人が分析するように、無理に出て攻め手を欠いたこともあったが、この日は本人が「珍しく落ち着いていました」と話すように、相手の体勢をジックリ見極めた。「相手が下がって、残り足も下がっていたから振ってみよう」と仕掛けた投げが結果的に「それで決まった」と勝利に結びついた。

 相手が半身になったことで「あれで落ち着いた。バタバタされると緊張するから」と自分の欠点も承知の上で、番数を重ねることで克服しつつある。先場所は5番相撲を終えて2勝3敗。その後は○●で負け越してしまった。2場所目ながら、まだ勝ち越しの味を知らない。先場所のように、勝ち越しを最後の7番相撲にかけることは緊張しやすいタイプだけに避けたいところ。「勝ち越してみたいですね」と記念星を次の6番相撲で狙う。