十両の優勝争いでトップを走る西5枚目の朝乃山(23=高砂)が、連敗を最小限の「2」で止め、9勝目を挙げた。

 西十両4枚目の妙義龍(30=境川)と対戦。寄り切りで破り9勝2敗とした。

 相撲巧者で前さばきのうまい妙義龍に対し、今場所素早く取れた左の上手を引くのに、やや手間取った。相手にも自分の体勢は十分研究されている。それも警戒されているからこそ。だが若さの勢いで、後先考えず体が勝手に動いてくれた。「自分から強引に取りにいきました。取った時、相手が投げにきたので体を寄せました。前に出て負けるならいいと」。立ち合いについても「踏み込めたから(右を)差せて(相手を)吸収して出足を止められた」と、一連の流れも納得できる白星だった。

 同じ2敗で同期入門のライバル豊山(時津風)も勝って、優勝争いでトップを並走する。さらなる白星の積み重ねで新入幕も見えてくる。そのことには「15日間、ケガなくいい相撲を取ろうと思っているだけ」と話すが、並走する豊山には「それは意識します。(入門)同期でトップですから負けたくないですね」。ライバルの存在が星勘定を忘れさせ、いいモチベーションになっているようだ。