十両の優勝争いでトップを走る西5枚目の朝乃山(23=高砂)が、3敗目を喫した。東十両3枚目の東龍(30=玉ノ井)と対戦。寄り切りで敗れた。

 よほど悔しかったのか、取組後は珍しく足早に支度部屋から引き揚げ、取材対応を最小限にとどめた。身長で2センチ高い191センチの東龍には、先場所は上手出し投げ、先々場所も上手投げで敗れている。そしてこの日も、五分の踏み込みから右四つ、左上手の自分の形に持ち込んだが、それは相手も同じ。案の定、上手投げで左から振られると自分の上手を切られ、あっという間に向正面に追い詰められた。相手十分の体勢で反撃できず、寄り切られてしまった。

 二度あることは…三度目もあった。短い取材対応では「先に相手に(上手を)取られたんで…。相手がうまかった」と答え、最後は「切り替えて頑張ります」と発して迎えの車に乗り込んだ。これで十両の優勝争いは、並走していた豊山(時津風)に大奄美(追手風)も加わり、9勝3敗で3人が並んだ。残り3番。優勝争い以外にも、朝乃山には2ケタ以上の勝利で、新入幕の可能性もある。気の抜けない3日間になりそうだ。