横綱白鵬(32=宮城野)が通算勝利数で魁皇(元大関魁皇=現浅香山親方)が持つ史上最多の1047勝に並んだ。

 役員室で白鵬の一番をテレビで見届けた八角理事長(元横綱北勝海)は「これで決める、という気迫があったんじゃないか」と張り手で攻めた白鵬の執念を察した。

 「ここまで来るには、並大抵の努力ではできない」とし、白星を積み重ねた要因として、まず体調面を挙げた。「太りすぎていないし、ケガも少ない。体調管理、維持するのが素晴らしい。立派だ」と称賛。また「四股とか基本動作を大切にしている」と稽古に裏付けされた体の柔らかさなどに加え「努力する性格、プレッシャーに負けない気持ちの強さも」と心技体の充実も高く評した。

 30歳6カ月で現役引退した元大関若嶋津で審判部長の二所ノ関親方(60)はこの一番を、正面土俵下の審判長として見届けた。「気合が入ってたね。顔に(張り手が)入ったからね」と白鵬の気迫に驚いた様子。通算515勝で現役を退いた同親方は、白鵬の記録について「すごいね。オレなんかには考えられない。オレなんか29歳ぐらいで(体に張りがなく)しぼんじゃったけど、白鵬は32歳でまだ張っている。内臓も強いんじゃないかな」と肉体的な若さを記録達成の要因と推測。今後については「大横綱だから(今後)続けて負けるようになったら引退しかないけど、まだまだじゃない?」と太鼓判を押した。