大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が24日、名古屋市内のホテルで会見し、いずれも通算最多勝記録を更新する1048勝目と39回目の優勝を果たした名古屋場所を振り返った。優勝から一夜明け、喜びをかみしめたこの日で、20年東京五輪開幕までちょうど3年。常々、東京五輪への思いを語っている白鵬は、開会式で4横綱による土俵入りに期待を膨らませた。

 会見場に現れた白鵬は、用意された水を飲んで「あー、ウマイ」とうなった。前夜は美酒に酔いしれたというが「5時間は寝たかな」と体調管理はばっちり。あらためて一夜明けての心境を問われると「去年は名古屋で優勝できなかったし、久しぶりに名古屋で盛り上がった。大記録、優勝したんだなという思いですね」と余韻に浸った。

 東京五輪まで残り3年のこの日。報道陣から話題を振られると「東京五輪のために心と体をしっかりかみ合わせるような努力と準備をしたい」と意気込んだ。メキシコ五輪レスリング銀メダリストの父ムンフバト氏の影響もあり、これまでも東京五輪への思いは公言してきた。相撲が五輪競技ではないことは承知の上で「やっぱり土俵入りをしたい。横綱4人でね。露払い、太刀持ちとね」と青写真を描いた。

 春場所で17年ぶりに4横綱になってから、3場所連続で全員の皆勤はできなかった。白鵬はまずは「4人で千秋楽を迎えるのが最高の形」とし、五輪での土俵入りに向けて「いつかその日が来ることを願って、自分自身もしっかりしないと」と言った。3年後は4人とも30代半ばで衰えは必至。それでも「もしもの日」を夢見て、横綱であり続ける。【佐々木隆史】