人気の宇良も右膝を負傷した。苦手とする貴景勝に押し込まれた際、俵に右足1本で、無理してでも残ろうとした。その際、名古屋場所から痛めていた右膝が内側に入った。崩れるように尻から落ちる。そして、自ら土俵下に下りた。中には戻れず、車いすに乗り、思わず「(膝が)ずれた。うわぁ、終わったな~、これ」と顔をしかめた。

 ただ、関係者によると、直行した相撲診療所で、うまく膝を入れてもらったという。痛みが軽度になったのか、歩いて車に向かい「びっくりしただけです。大丈夫です」と話した。ただ、出場の意思を聞かれるとしばらく考えて「頑張ります」と話すにとどめた。

 名古屋場所で右膝の靱帯(じんたい)を痛め、夏巡業を2日目から休場した後も稽古は満足に積めなかった。「置かれた環境の中でやるべきことはやってきた」と決意を語っていたが、さらなる苦難に陥った。