一昨年のアマ横綱が“お目覚め”のストレート勝ち越しを決めた。幕下付け出しデビューから3場所目を迎えた東幕下14枚目の水戸龍(23=錦戸)が、全勝同士の対戦で日大の6学年先輩にあたる元小結で東幕下9枚目の常幸龍(29=木瀬)と対戦。押し倒しで破り4戦全勝とした。

 「大学の先輩だから、めっちゃ緊張しました。勝つなんて気はなくて、先輩だから思い切ってやろうと思っていた」と水戸龍。十分な踏み込みで立ち合いで圧力をかけ、突き押しで攻勢。その威力で常幸龍がバランスを崩し体が泳ぐところを押し倒した。

 期待されながら幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだ今年夏場所は、3勝4敗でよもやの負け越し。先場所は5勝2敗と勝ち越して、再び7戦全勝なら十両昇進が確実となる幕下15枚目以内の番付に上がった。残り3戦全勝なら関取の座をものにできる。そう言われて「めっちゃ緊張します。残り3番も挑戦者の気持ちでやります」。プロの土俵も3場所目。「初めての場所(今年夏場所)より全然、緊張感は違います」と余計な肩の力を抜きながら、白星街道をひた走る。