大関豪栄道(31=境川)が優勝争いの単独トップに立った。

 左膝骨挫傷で7日目まで休場していた碧山を立ち合いで受け止め、押し込まれながら左に体を交わして突き落とした。相手は負傷しているとはいえ、幕内屈指の巨漢。「土俵に上がると多少やりづらかった。何か思い切ったことをしてくるんじゃ、というのはあった」。そんな予感が慎重な取り口につながったようだ。

 勝ち越しを決め、6度目のかど番を脱出。おりしも阿武咲、大翔丸が負けて、ただ1人の1敗となった。自分より番付上位の横綱日馬富士はすでに3敗。昨年秋場所以来2度目の優勝へ。3横綱2大関の休場もあり、言葉を選びながらも「チャンスはチャンスなんでね…」と本音もちらつく。「(優勝は)まだ意識するのは早い。一番一番やっていくことが大切と思う。他の力士の勝敗は気にしていない」。V候補筆頭の空気を打ち消すように、冷静なコメントを貫いていた。