新入幕で東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)が、3連勝で波に乗った。この日は、十両時代の夏場所で引き落とされた西前頭11枚目の千代丸(26=九重)と対戦。押し出しで破り6勝3敗とした。

 「1回やれば(相手の手の内は)分かる。体ごと行けば回り込まれるから、下から下から、と思った。足も出ていた」と納得する、突き押しで終始、攻め立てた。最後は、太鼓腹の千代丸の腹をドンと押しての快勝。得意の四つ身(右四つ)だけでなく、突き押しでも主導権を握れる万能タイプの一面をのぞかせた。アマ時代(富山商、近大)の指導者や、師匠の高砂親方(元大関朝潮)からも「四つだけでは駄目。手も長いから突き放す相撲も覚えるように」とアドバイスされてきた。その声を実践し「自然と手が伸びた。押し切れた達成感があります」と充実した表情で振り返った。

 目標の勝ち越しに、残り2勝。10日目は錦木(伊勢ノ海)との一番だが、気になるジンクス打破をかけた一番にもなる。今場所は東西の支度部屋で、東が6戦全勝、西なら3連敗。錦木戦は西からの出陣となるとあり「ジンクスがあるから(打破へ)明日も頑張ります」と笑いながら引き揚げた。