序ノ口は、ただ一人の6戦全勝だった西25枚目の庄司(23=武蔵川、秋田県美郷町出身)が、7戦全勝で優勝を決めた。この日の7番相撲で、序二段の今井(式秀)を押し出しで破って決めた。

 史上4人目の国立大出身者として、7月の名古屋場所で新弟子検査に合格。「早く関取になって親に学費を返したい」という孝行息子は、8月に正式に埼玉大(工学部)を中退。相撲漬けの生活に入り、初めてしこ名が番付にのった今場所、相撲を始めて約15年で初めて、優勝を経験した。

 勝って当然のプレッシャーや、あいさつや所作など角界のしきたりに慣れないこともあり、多少の緊張はあった。「うれしさとホッとした気持ちがあります」と少しだけ笑った。

 秋田・横手高では3年で高校総体出場(個人で予選落ち)。埼玉大では4年時に大学選手権ベスト32入りしたことで「やれるのではと自信になった。自分の力を試したい」と年齢制限の前に角界入りを決意。卒業まで単位取得に2年ぐらいはかかりそうだったことも後押しした。理想の力士像は「自分の形を持った力士」と師匠の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)を挙げ、同郷の豪風(尾車)は「大先輩であこがれがある」という。「早いうちに、出来れば2~3年ぐらいで」と新十両昇進を目指す。