元幕内が見せた意地の勝利だった。モンゴル出身同士による全勝対決で、西幕下49枚目の鏡桜(29=鏡山)が東幕下14枚目の水戸龍(23=錦戸)を寄り切りで破り、7戦全勝で幕下優勝を決めた。

 勝てば所要3場所で十両昇進が決まる水戸龍に対し、意地を見せた。体格で勝る相手に、もろ差しから頭をつけ何度も寄った。投げで粘られたが、こん身の力を振り絞って寄り切った。

 出番前の控えの土俵下で、相手の水戸龍が緊張をほぐそうとしてか「ニヤニヤしていた。余裕かなと思った」と逆に火が付いたのか。「相手はまげも結っていない。こっちは15年もやっている(初土俵から15年目)。(新十両昇進には)自分は10年もかかった。先に15年も苦労しているのはこっち。意地がありました」とプライドをのぞかせた。

 ちょうど2年前の秋場所で、最高位の西前頭9枚目を経験した元幕内力士。だが右膝裏のケガで、昨年名古屋場所で幕下へ落ちた。陥落した幕下で8場目に、関取復帰に弾みを付ける全勝優勝。幕下上位に上がる11月の九州場所は、約1年半ぶりの関取復帰をかけた挑戦場所になる。