19日午後4時15分ごろ、千葉県船橋市行田2丁目の市道で、大相撲の元大関若嶋津の二所ノ関親方(60)が倒れているのを通行人が見つけた。日本相撲協会の関係者によると、親方は市内の病院で頭部の手術を受け、集中治療室に入った。一時意識を回復し、その後は眠っているような状態という。

 船橋署によると、親方は車道に倒れていたが目立った外傷はなく、発見時には話ができる状態だったという。近くには自転車が倒れていた。当時は雨が降っていたとみられ、署は事件の可能性は低いとみて状況を調べている。

 現場は二所ノ関部屋近くの住宅や公園がある地域。病院で取材に応じた同部屋付きの湊川親方(元小結大徹)は「自転車で転倒して頭を打ったのではないか。命に別条はない。皆さんにご心配をお掛けした」と話した。部屋に戻った妻みづえさんは、報道陣の問い掛けに「ご迷惑をお掛けしてすみません。今、頑張っています」と答えた。

 二所ノ関親方は、日本相撲協会理事で審判部長を務めている。1975年春場所で初土俵を踏み、82年九州場所後に大関に昇進。浅黒い体とスピードあふれる取り口で「南海の黒ひょう」の愛称で人気を集めた。鹿児島県出身。87年名古屋場所で引退するまで2度優勝した。

 近くで酒店を営む50代女性は「日頃から部屋に酒を届けている。びっくりして言葉も出ない」。40代の男性会社員は「親方が歩いている姿をよく見掛けた。驚いている」と話した。