日本相撲協会は20日、東京・両国国技館で開いた臨時理事会で、元横綱日馬富士関の暴行事件を巡る関係者の処分を決めた。暴行が起きた秋巡業の責任者である巡業部長の貴乃花親方(元横綱)への処分は、危機管理委員会の聴取が終わっていないため、先送りとなった。

<過去の親方への処分>

 ▽監督不行き届き 10年に暴行問題の責任を取り引退した横綱朝青龍の師匠、高砂親方(元大関朝潮)は弟子の監督不行き届きで役員待遇から主任へ2階級降格処分。07年に朝青龍が夏巡業への休場届を出しながら母国モンゴルでサッカーに興じた際には、同親方は4カ月間、30%の減俸処分。

 ▽暴行死事件 07年には時津風部屋で力士暴行死事件が起き、時津風親方(元小結双津竜)が部屋を預かる師匠として初めて解雇処分を受けた。

 ▽野球賭博 10年の野球賭博問題では大嶽親方(元関脇貴闘力)が解雇、弟子が賭博に関わったことで武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は名古屋場所を謹慎した。

 ▽八百長問題 11年の八百長問題では、師匠としての責任を問われ、北の湖(元横綱)、陸奥(元大関霧島)、九重(元横綱千代の富士)の3理事が退任するなど親方19人が降格処分となった。

 ▽傷害罪 15年には、マネジャーの男性に対する傷害罪で起訴された熊ケ谷親方(元十両金親)が解雇。

 ◆減俸アラカルト 直近では08年に若手力士をお玉で暴行して負傷させたとして、元前頭豊桜が3カ月の給料30%カット処分を受けた。07年の時津風部屋力士の暴行死事件時は、北の湖理事長(当時、元横綱)は基本給の50%相当額を4カ月、他の役員(理事、監事、役員待遇)は基本給の30%相当額を3カ月返上の処分を受けた。