悲しみを胸に、横綱白鵬(33=宮城野)が帰国の途に就いた。9日に父ジジド・ムンフバトさん(享年76)を病気で亡くした白鵬が11日午後、故郷のモンゴル・ウランバートルで13日に営まれる葬儀に参列するため、成田空港から帰国した。

 成田空港で取材対応した白鵬は、国民的英雄でもあった父を脳裏に思い浮かべるように「感謝の気持ちがありました。飛行機の中でも感慨深いものがあるかもしれない。父親だけど、それ以上のものを、周りの人に与え、引っ張っていった」と、しみじみとした口調で話した。

 当初の予定は1日延ばされ、15日に再来日する。春巡業は15日の高崎市まで休場し、16日の東京・靖国神社から合流する。「心と体を整理して、また巡業に参加したい」と横綱としての責任感を口にする一方で、故郷では「お母さんを、しっかり支えたいなと思ってます」と親への愛情の念を胸に込めて話していた。