西十両14枚目の若隆景(23=荒汐)の「関取初白星」は、お預けとなった。

 東十両14枚目の剣翔(26=追手風)と対戦。立ち合いで左顔面に受けた張り手は「もちろん頭にありました」と想定内。構わず左上手を狙い、手が届かないとみるや、押っつけで攻めたが、上体が浮いたまま前に出ようとしたところを、タイミングよくはたき込まれ土俵にはった。

 出身高校の福島・学法福島から贈られた化粧まわしを締めて臨んだ新十両として最初の土俵入り。ほとんどの新十両が「土俵入りや所作で緊張した」と話すように、相撲以外のことで頭がいっぱいになるところ。だが若隆景は、相撲のことに集中し、所作などは「何も分からない状態(で上がった)。周りを見ながらやりました。もっと勉強しておけば良かったかな」と見よう見まねでこなした。

 まずは白星を-。そんな思いで土俵に上がったが、新十両での初勝利は「足が出なかったです」と、2日目以降にお預け。ただ、基本的に1場所7番しか取れない幕下以下と違い、15番取れることをプラスにとらえているようで「まだ全然(残りは)ありますから、明日から切り替えて、とりあえず思い切って相撲を取ります」と、関取で3番目に軽い121キロの体で、土俵狭しと暴れまくるつもりだ。