西前頭2枚目阿炎(24=錣山)が、鶴竜(32=井筒)に負けて横綱初挑戦での初金星を逃した。

 立ち合いは腕を伸ばしてぶつかり、いなされるもこらえてから突いて攻めたが、再びいなされると体勢を崩して両手が土俵に着いた。自身初の結びの一番でもあり「いけると思ったけど、(土俵上で)四股を踏んでいる時に緊張した。めちゃくちゃ膝が震えた」と興奮気味に振り返った。

 鶴竜は、過去に付け人を務めたことがある特別な相手だった。それだけにこの日の対戦は「うれしさもあるし、あらためてこんなにすごい人に付いていたんだなと思った。あれだけ自分を出し切れたのに勝てなかった。でも自分に逃げなかったのだけは良しとします」と特別な思いがこもっていた。「今日は母の誕生日だったので勝ちたかった」と親孝行な一面も見せた。