東十両13枚目照強(23=伊勢ケ浜)が“死んだふり”で貴ノ岩の勇み足を誘い、4勝2敗とした。強烈な当たりで吹っ飛ばされ、棒立ちになった。そのまま土俵を割るかと思われた瞬間、右腕で貴ノ岩の首にしがみつくと、貴ノ岩がたまらず右足を土俵の外に着いてしまった。

 照強は「立ち合いでこめかみを張られて、記憶が飛んだ。気づいた時には土俵の外に出かかっていた。意識もうろうでした」と演技でなかったことを力説。物言いがつき、長い協議が続く間は「(貴ノ岩の)右足が出たのは見えていたんで」と言い、最終的に軍配通りの勝ち名乗りを受けると「行司さんがよく見てくれていました」と話した。

 貴ノ岩にすれば、すっかりダマされたような形での初黒星。「勝負あったと思ったのか?」と問われると「少しそれがあったかもしれない。厳しくいけなかった。優しかったかな」とこぼしていた。