大相撲の幕内旭大星(28=友綱)が9日、都内のホテルで芳恵夫人と挙式・披露宴を行った。

 披露宴では満面の笑みでウエディングケーキに入刀。横綱白鵬ら約450人の出席者から祝福された。披露宴に先立って行われた挙式後には、旭大星は「(地元)北海道からも友人が来てくれたし、全国からいろんな方に来ていただけてありがたいです。親方、おかみさんに協力していただいたおかげ。結婚式では奥さんは白無垢(むく)。きれいでした」と、うれしそうに話した。

 2人は6年前から交際し、昨年9月に婚姻届を提出した。すでに新婚生活を送っており、当初、挙式・披露宴は2月の予定だったが、父浩さんが体調を崩したため、この日に延期していた。新入幕を果たした5月の夏場所では10勝を挙げ、敢闘賞を受賞。それだけに「10勝できると思わなかったので、いい結婚式になりました。負け越して結婚式を迎えていたら全然違う。結果的にタイミングとしては1番よかった。これで次に負け越したら、奥さんも何かと言われるので」と、明るく話した。

 披露宴終盤には、思いがけない演出に号泣した。旭大星が中学2年時に36歳で亡くなった、母真由美さんが生前の02年11月4日に書かれた手紙が読み上げられた。結婚式を想定し「拓也(旭大星の本名)のお嫁さんへ」と呼びかけられ「この手紙が読み上げられるころ、お母さんは天国にいっていると思います」と、手紙を代読したナレーションが流れ始めると、旭大星はもちろん、場内に涙があふれた。

 父浩さんがずっと、旭大星に秘密で隠し持っていたもの。手紙は「拓也のお嫁さん、拓也はわがままで、すごく甘えん坊だけど、すごくやさしい子なので本当によろしくお願いします。これから力を合わせて頑張ってください。ずっと見守っています」と続き、旭大星は芳恵夫人のハンカチを借りて、顔を覆っていた。同席した白鵬も「泣いちゃったよ」と話し、目をうるませながら会場を後にしていた。