東十両4枚目隆の勝(23=千賀ノ浦)が10勝2敗とし、初の幕内昇進へ大きく前進した。

 西十両12枚目千代の海(25=九重)をすくい投げ。初の2桁勝利に「うれしい。稽古を十分にできたからだと思う」と好調の要因を語った。

 幕内の同級生に刺激を受けた。場所前は「とにかく出稽古」で実力を磨いた。肌を合わせた中で最も印象に残ったのは、普段から仲の良い東前頭3枚目阿炎(24=錣山)。「阿炎はとにかく当たり負けしない」。今場所5日目に横綱鶴竜(32=井筒)から金星を奪った時は「引かないところがすごい」と改めて感心した。ただ、出稽古では隆の勝が優勢とのこと。互いに十両だった昨年の九州場所で敗れた一番を回想し「場所だと負けちゃうんですよね」と首をひねった。

 17歳で幕下に上がり、そこから十両に上がるまで約5年。しかし十両では5場所で幕内を射程圏に捉えた。現師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)にとって初の幕内力士なれば「喜ぶと思う」と、笑顔を見せた。