大相撲の大関高安(28=田子ノ浦)が、プライドを捨てて合流初日から全力で稽古した。

 8日、東京・渋谷区の青学大で行われた夏巡業に参加。7月末に始まった今回の巡業は、初日から右膝蓋腱炎(けんえん)で休場していたものの、この日から合流し、朝稽古でいきなり幕内朝乃山、阿武咲と計20番取った。朝乃山には4勝1敗だったが阿武咲には3勝12敗。立ち合いから阿武咲の突き、押しに圧倒されるなど、途中7連敗も喫し、大きく負け越した。

 休場の間、部屋で若い衆と相撲を取るなど「下地はつくってきた」という。それでもこの日の稽古後、頭はぐしゃぐしゃ、体は砂まみれ。「前に出る圧力がまだまだ。踏み込みの力が相手に劣っていたということ。勝ちたいけど目標を持って前に出る相撲を取りたかった。何もかっこつける必要はない」。約4000人の観衆の前で、ボロボロになるまで稽古したことで現状を把握し、課題をいち早く認識していた。