8場所連続休場から、進退を懸けて臨んだ横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、白星発進した。左を差す得意の形で、東前頭筆頭の勢を寄り切る完勝。本場所の白星は1月の初場所2日目で北勝富士に勝って以来、237日ぶり。

横綱審議委員会の守屋秀繁前委員長(千葉大名誉教授)が初日の土俵を館内で観戦。「目をパチクリさせるようなしぐさもなく控えでも稀勢の里は落ち着いてたから勝てると思った」と喜んだ。退任直前の昨年初場所後に稀勢の里は横綱に昇進。諮問された立場だけに「昇進させて、たいへん責任を感じてました。もしかすれば優勝争いに絡むかも」と期待した。