11日に65歳の誕生日を迎え、大相撲秋場所限りで定年退職する山科親方(元小結大錦)が13日、東京・両国国技館で会見を行った。

68年夏場所で初土俵を踏み、ここまでの50年間を振り返って「本当にさっぱりしてます。自分なりに満足してます。病気やケガもあったけど勉強になったと今は思います」とすがすがしい表情を浮かべた。

元横綱北の湖、2代目若乃花、元関脇麒麟児らと「花のニッパチ組(昭和28年生まれ)」と呼ばれた。新入幕の73年秋場所では、横綱琴桜から金星を挙げての11勝で優勝次点の活躍ぶりを見せた。それでも相撲人生を振り返ると「関取に上がった時に待遇が変わったこと。絶対に(幕下に)落ちないようにと思った」と新入幕の時ではなく、新十両に昇進した時の思い出が強かった。

現役引退後は、出羽海部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たった。そして今場所は、関脇御嶽海(25=出羽海)が大関とりへ奮闘している。「先場所よりも悪い。先場所はもっと攻めてた」と、この日まで4連勝中ながらも厳しめに評価。御嶽海が名古屋場所で初優勝した際に「千秋楽に『いい餞別(せんべつ)になった』と言ったんだけど」というやりとりがあったことを明かし「今回はどういう風に言えばいいか」と、定年退職に大関昇進で花を添えられた際にかける言葉に頭を悩ました。

今後の人生については「いろいろ考えている。旅行に行くとか。でも猫1匹飼ってるからどうしようか」などと話した。大好きな酒やゴルフについては「体が言うことさえ聞いてくれれば」と明るく笑った。