関脇御嶽海(25=出羽海)が執念で白星を手にした。立ち合いからすぐに貴景勝から右の張り手を1発、すかさず左を1発、休むことなく右を1発、2発、3発と張られまくった。その後も何発ものど輪を受け続けたが、1歩も引かなかった。むしろ前に出続けて、引いたのは貴景勝。土俵際でいなされて体勢を崩したが、相手のサガリを右手でつかんで俵の上で踏みとどまり、逆手の突き落としで勝負を決めた。

我慢の相撲に「楽しかった」と第一声。冷静を保つのが難しい場面だったが「引いてもダメ。やり返したらいけない」と気持ちを抑えていた。むしろ「どんどん来て下さい、という感じ。相手の上体が起きるからね」と好機をうかがっていた。連敗を免れて大関とりへ望みをつなぎ「白星しか考えていなかった。ここから連勝したい」。昇進目安の三役で3場所33勝まで残り5勝に迫った。