大関高安(28=田子ノ浦)が、1敗の横綱鶴竜(33=井筒)に土をつけて10勝2敗で優勝戦線に残った。

立ち合いで狙い通り左四つになったが、巻き替えられて左上手になった。

「あそこで黙っていたら中に入られるから、体を開いて振った」

巻き替えた鶴竜が体勢を整える前に、右に振り回して鶴竜を土俵に転がした。

「中途半端にならないように、それだけだった。しっかり体を起こして胸を合わせられた。そこが勝因」

兄弟子の稀勢の里が進退をかけた場所として注目されるが、12日目時点で10勝に到達するのは昨年の夏場所以来と好調。わずかに可能性が残る初優勝へ「しっかり自分のスタイルを貫く。悔いが残らないようにやるだけ」と、自分に言い聞かせるように語った。