第70代横綱日馬富士引退披露大相撲が9月30日、東京・両国国技館で行われた。元日馬富士関(34)は、昨年10月に起こした貴ノ岩への傷害事件の責任をとって同年11月に引退。最後の晴れ姿を見るために押し寄せた約1万人のファンの前で「最後の土俵入り」を披露。露払いに横綱鶴竜、太刀持ちに横綱白鵬を従えて、約1年ぶりに土俵入りを行った。「全身全霊で頑張ってきた私なので。3横綱でできたのは感謝です。名誉なことで感動した」と振り返った。

断髪式では、リオデジャネイロ・オリンピック柔道金メダルの大野将平、ボクシング元WBO世界バンタム級王者亀田和毅ら約400人がはさみを入れた。他にも稀勢の里ら3横綱がはさみを入れ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が止めばさみを入れた。「(相撲の)神様から力を授かったから、しっかりと感謝を込めて返しました」と18年間上がり続けた土俵に口づけをして別れを告げた。

まげを切った後は、オールバックに整髪。タキシードを着込んで、引退パーティーが行われた都内のホテルに登場。そこであらためて「素晴らしい18年間だった。相撲を通じて素晴らしい方々に出会えた。相撲道は素晴らしい」と晴れやかな表情で語った。

9月にはモンゴル・ウランバートルに学校を設立するなど、すでに次の1歩を踏み出している。今後の人生については「世界中を旅して勉強したい。新しい目標を見つけたい」と語ったほか、来年に法大大学院への復学も検討している。一息つく間もなく、次の挑戦が待っている。【佐々木隆史】