大相撲秋巡業の初日が3日、東京・大田区で行われ、十両安美錦(伊勢ケ浜)が40歳の誕生日を迎えた。

関取最年長として、また1つ年齢を重ねて「これだけ長くできるというのは、生んでくれた両親に感謝。支えてくれて指導してくれた師匠や、支えてくれたいろいろな方のおかげでここまできたかな」と感謝の言葉。

40歳の目標は「幕内に戻ることだけ考えて」と、自身が持つ最高齢再入幕の記録更新を誓った。ただ続けて「来場所が最後のチャンスだと思って戦いたい」と言って報道陣を慌てさせて、かすかに笑った。

今1番欲しい物は「家族の時間」だという。秋場所後もイベントなどで多忙を極め、この日から始まった秋巡業も九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)に向けて東海、関西、中国・四国地方へと移動していく。

そして九州場所後も九州を転々とする冬巡業があるため、東京に戻ってくるのは、2カ月半後の12月中旬となる。「巡業とかで家族の時間はないけど、応援してくれている。(子どもは)勝つと喜ぶし負けると悲しいだろうし」と、家族の存在が支えになっている。

さらに40歳まで現役で続けられてきたのには、40歳を超えても幕内で活躍した元関脇旭天鵬の友綱親方の存在も大きい。

「今の友綱親方のおかげで、年齢の概念が崩れて気にせずできるようになった。すっと苦しいことしかないけど、できる限りはやっていこうかなと」と話した。