元横綱日馬富士関に対して慰謝料など3000万円を要求している前頭貴ノ岩について、新たに師匠となった千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が3日、都内の部屋で「全然分からない。初めて聞いた」と困惑した。

貴ノ岩は昨年10月の秋巡業で元日馬富士関から暴行を受け、2場所連続で全休。休場中の補償も含めた金銭の要求を求めているが、元日馬富士関側がこれを拒否した。貴ノ岩側は訴訟を起こす可能性がある。千賀ノ浦親方は「2日前に電話で(秋巡業の)休場のことについて話した。今は自宅で療養させている」と貴ノ岩の現状を説明した。

この日、旧貴乃花部屋の力士を迎え入れ、新体制として初めての稽古を行った。巡業のため小結貴景勝、巡業休場のため療養している貴ノ岩、十両貴源治ら関取衆は不参加。四股やすり足、30分以上の申し合い稽古などで汗を流した。

幕下貴公俊は「みんな優しくてやりやすかった」と好印象。千賀ノ浦親方は「一緒になっても関係ない。自然体ですよ」と違和感がないことを強調した。しかし貴公俊を双子の弟、貴源治の下の名前である「賢(さとし)」と2度も呼び間違え「剛(つよし)です」と笑って訂正される場面もあった。【佐藤礼征】