下咽頭がんと肺がんの影響による衰弱のため、8日に70歳で亡くなった、大相撲の元横綱で、プロレスラーやタレントとしても活躍した輪島大士さんの通夜が14日、東京・青山葬儀所で営まれた。

土俵をイメージした祭壇に飾られた遺影は、喪主の妻留美さんが選んだという横綱時代の土俵入りだった。朱色のひつぎは、昨年まで毎年のように見学に訪れていた、地元石川県七尾市の石崎奉登祭に由来。ひつぎの中では、横綱時代に最も好んで着ていた薄緑色の着物姿で安らかに眠っていた。

輪島さんの付け人を約1年務めた芝田山親方(元横綱大乃国)は「土俵入りのかっこよさを学んだ。付け人をしたのは名誉」と、優勝14度の功績をたたえた。故人とは遠縁で、しこ名に「大士」をもらった同郷の前頭輝は「偉大な方。強くなることでしか恩返しできない」と出世を誓った。芸能界からも関口宏、五木ひろし、とんねるずらが駆けつけるなど、参列した約500人が、誰からも好かれる故人の人柄をしのんだ。