13場所ぶりの関取復帰場所となった東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が、今場所初黒星を喫した。

西十両14枚目の翔猿(26=追手風)と対戦。127キロの軽量で、土俵狭しと動き回る相撲が身上の相手に対し、立ち合いから正攻法で攻め、押し込んだ。だが、そこに落とし穴が。さらに前傾をかけ、頭から押し込んだところで、体を右に開かれ目標を失った。そのままはたき込まれ、土俵にバッタリ。初日からの連勝は3で止まった。

それでも幕下の2年間で「同じ負けるなら前のめりで」が体に染みこんでいるせいか、後悔の念はない。「前に出ようと思ったけど、足が出なかった。仕方ない。(相手のはたく)タイミング、動きが良かった。特にヘコむこともないですね」と話した。このコメントにあるように、足がでなかったことと、3日目までの立ち合いに比べ若干、踏み込みが足らなかったことは反省材料にある。立ち合いの圧力がもう少しあれば、相手を押し込め、はたく余裕を与えなかったかもしれない。

それでも3連勝したことが、精神的な余裕を与えている。ひと通り、相撲の話が終わると、取り囲む報道陣と、しばしのラーメン談議。「負けは負け。引きずるのは良くないから、験直しにラーメンでも食って帰ります」。質疑応答はラーメンの硬さの好み、行きつけの店、夜食の締めのラーメンは避ける…などなど。黒星などすっかり忘れ? ラーメン談議に花を咲かせると「『ラーメン験直し』なんて店ないかな…」と笑いを誘いながら場所を引き揚げた