東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が大関高安(28=田子ノ浦)をすくい投げで破り、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)とともに勝ちっ放しの5連勝を飾った。

立ち合いから低く当たると、その後の攻防でも低い態勢を保つ。最後は土俵際で大関をすくい投げで転がした。

前日4日目は稀勢の里を逆転のすくい投げで破り、休場に追い込んだ。これで1横綱、2大関、2関脇と上位陣撃破。横綱不在、勝ちっ放しの消えた大関陣の中で、優勝争いの主役として期待される。

「今日も立ち合いから低い位置で、我慢して相撲がとれた。低かったから巻き返えもできた。これからも一番一番しっかり集中したい」。

関脇を11場所、小結を14場所も務めた“大関候補”が、昨年から左膝、腰、左大胸筋など相次ぐ故障に見舞われ、今年夏場所では東前頭15枚目へ。07年春場所の新入幕後、自己ワーストタイまで番付を落とした。ケガなどに苦しんだ時期もあっただけに「ここで上位と相撲が取れてありがたい」と感謝の思いもプラスに働いているようだ。

小結だった昨年秋場所以来となる三役復帰へ、念願の初優勝へ、快進撃を続けていく。