関取として2年半ぶりに本場所の土俵に上がっている、東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が今場所2敗目(4勝)を喫した。

同10枚目の東龍(31=玉ノ井)と対戦。平幕時代の14年名古屋場所以来の対戦(この時は、つり出しで豊ノ島の勝ち)だが、時津風部屋へ出稽古に来る東龍とは、最近も稽古場で胸をよく合わせていた。その経験から「前みつを取られることが多かったから、差しにいくよりはじいていく」(豊ノ島)イメージを描いていた。そのための踏み込みも十分で、先に飛び込んだ。「踏み込んで押し込んで(その後は)流れで」という、もくろみ通りの立ち合いだったが、相手はその上をいった。右の前みつをサッと引かれ、腰が浮いてしまった。左腕をグイと伸ばされ完全に上体が棒立ちとなったところで押し出された。

「前みつを取られたのが一番(の敗因)。今日の一番のすべて。早かった」と脱帽するしかなかった。それでも4勝2敗で“貯金2”の白星先行。「思い切って明日から切り替えて頑張りますよ」。2日前に今場所初黒星を喫した際は験直しで、ラーメンを食べて部屋に戻った。この日も「これからジックリ車の中で考えて…」と入念な下調べの元、ラーメン店探しにいそしむ? 疲労はたまりつつも、そんなリップサービスも交えながら、場所を後にした。