審判部の高田川親方(元関脇安芸乃島)が東十両5枚目石浦(28=宮城野)に「立ち合いを駆け引きに使わないように」と苦言を呈した。

この日の西十両2枚目安美錦(40=伊勢ケ浜)との一番は石浦が立ち合いで左に変化し、はたき込みで勝ったのだが、取組成立前に3度の待ったがあった。特に2度目は安美錦の待ったが行司に通じなかったのか、両者が中途半端に立ち、押し出した安美錦に1度は軍配が上がるような形となった。しかし、審判長を務めていた同親方はこれを認めず、取組をストップ。続く3度目の立ち合いで、今度は石浦が待った。4度目で成立し、決着がついた。

待ったが3度以上あった場合、当事者力士は審判部室に呼ばれ、注意を受ける。今回も両者が注意を受けたが、同親方は石浦に対して「(わざと3度目となる)待ったをかけて、変化したのか? 立ち合いを駆け引きに使うな」と厳しい態度をとった。

同親方は石浦への言葉を「個人的な判断」とした上で「相撲は勝負、スポーツですが、興行の面もある。お客さんが納得しないと思うから、止めたのに、ああいう相撲の後なんだから、正々堂々とやるべき。本人は違うと言うが、私には立ち合いを駆け引きの道具にしたとしか思えなかった」と説明した。石浦は「全くそんな(駆け引きにした)つもりはないです。立ち合いを合わせるのは大事。自分の立ち合いができるよう、明日からしっかり頑張りたいです」と話した。