身長177センチの西前頭4枚目嘉風(36=尾車)が、191センチの大関栃ノ心(31=春日野)を豪快なすくい投げで下した。4勝3敗として、白星先行で中日に突入する。

34センチ上背のある栃ノ心に全くひるまなかった。低くぶつかり、右でおっつけ。左下手でまわしを引くと、長い手で上手をつかまえられた。栃ノ心の投げに耐えながら、まわしが切れた左ですくい投げ。「上手を取られたけどその前に左下手を引けた。そこが勝負のポイントです」と話し、にやりとした。

第一線で戦い続けるベテランには、毎日大歓声が送られる。「もちろん声援は聞こえているけど、それを受けて緊張したり興奮したりはない」と、気持ちの抑揚はない。記録よりも記憶。目の前の白星よりも、この日の身長差を跳ね返すような、声援をもらえる取組を意識してきた。「それで勝てれば二重の喜びがあるということ」と、36歳は口を真一文字に結んだ。