小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が、ハプニングに見舞われながらも、東前頭筆頭の妙義龍(32=境川)を下して再び単独トップに立った。

仕切りの途中で、土俵に上がった呼び出し2人から、締め込みを締め直された。結び目が短く、取組中に締め込みがほどけてしまう可能性があったためだ。しかし、きつく締めていたため簡単には締め直せず、締め直すのに約1分かかった。

相撲は立ち合い当たってから左に動き、まわしを取らせることなく1秒2で引き落としを決めた。速攻相撲だったが「0点。最悪。今場所一のダメな相撲。精神的な部分。俺にしか分からない感覚」と肩を落とした。しかし締め込みを締め直されたことについては「それで精神がブレたらそこまで。影響はなかった」と話した。

自身の取組の前に、1敗で並んでいた平幕の阿武咲と大栄翔が負けたため、単独トップに立った。8日目を終えて、少しずつではあるが賜杯の影が見え始める頃。だが「ここから負け続けたら負け越しやし、全く関係ない。毎日、いかにきれいな気持ちで初日のような相撲をとれるかが大事」と話した。