大関高安(28=田子ノ浦)が、物言いがつく際どい勝負を制して9勝目を挙げた。

立ち合いは、幕内最重量227キロの関脇逸ノ城に体ごとぶつかった。すぐに左差しを狙ったが、つかまえられずに突き放されると、徐々に押し込まれた。最後は体を投げ出して押し込んできた相手をかわし、土俵際ではたき込んだ。

軍配は高安に上がったが、高安の右足が土俵外につくのと、逸ノ城の左足が土俵を割るのがほぼ同時。同体ではないかとの物言いがついたが、行司軍配通り、勝ち名乗りを受けた。逸ノ城が倒れ込んだ際には、左膝で土俵が破壊されるアクシデントも起きた。

支度部屋に戻った高安は、終始無言だった。9日目に嘉風をはたき込みで破った際も「前に出て勝ちたかった。明日頑張ります」と話すにとどめただけに、この日の内容には納得していない様子だった。