付け人を暴行した責任を取り現役引退を決めた幕内力士、貴ノ岩(28=千賀ノ浦)の引退届を受理した日本相撲協会は7日、芝田山広報部長(元横綱大乃国)が経緯を説明した。

それによると、この日午後1時前に師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が運転する車で、日本相撲協会がある両国国技館入りした貴ノ岩の引退の意思確認は「3段階にわたってしっかり確認した上で」(同広報部長)行ったという。最初は師匠の千賀ノ浦親方、次にこの日、協会内で接見した鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)と危機管理委員会の高野委員長。その上で最後に八角理事長(元横綱北勝海)の元に足を運び、意思を表明したという。「理事長からは再三にわたり『それでいいのか』という確認があったが、本人の意思が固く受理しました」と同広報部長。貴ノ岩の心中を「(昨秋の元横綱日馬富士による暴行事件の)被害者でありながら、なぜこんなことを起こしたのかという後悔の念があるのでは、と推測します」と察した。

また日本相撲協会として、根絶を目指していた暴力をふるったことによる理事会処分などが下されるかについては「それは分からないが、本人の意思が理事長に伝えられたので、その報告が(理事会で理事長から)あるだけではないか」と見通しを話した。昨年11月に元横綱日馬富士が引退した際は、刑事事件にも発展しただけに、昨年12月の臨時理事会で「引退勧告相当」が決議されていた。