大相撲の冬巡業が10日、熊本・宇土市で行われ、地元出身の平幕正代(27=時津風)が凱旋(がいせん)した。

地元出身の力士として、握手や写真撮影では列を成した。「他の巡業よりも注目されている。身近で相撲を見せるのが1番伝わるので、これをきっかけに興味を持っていただければ」。16年4月の熊本地震から2年8カ月。「ブルーシートの数も減ってきた」と。故郷の復旧ぶりも感じた。

朝稽古では大関栃ノ心(31=春日野)らと8番取って2勝と振るわなかったが、会場から拍手と大きな歓声を浴びた。ぶつかり稽古では、胸を出した栃ノ心から“かわいがり”を受けた。土俵では苦悶(くもん)の表情を浮かべたが「内容は濃かった。自分から希望してできることじゃない。お客さんに元気な姿を見せることができた」とうなずいた。