大相撲の冬巡業は21日、埼玉・川越市で行われ、横綱白鵬(33=宮城野)が、全勝優勝した9月の秋場所以来、約3カ月ぶりに実戦的な稽古を行った。

前頭正代を指名して8番取って全勝。鋭い出足で立ち合いから一気に寄り切るなど、終始軽快な動きだった。その後も前頭栃煌山に、ぶつかり稽古で胸を出すなど、10月に手術した右膝と右足首の順調な回復ぶりをアピールした。

稽古後は「感触はありましたね。3カ月ぶりの実戦。気分がいいね」と、笑顔を交えて話した。11月の九州場所は全休だったが、今月2日から始まった今回の巡業は初日から参加し、22日の最終日まで完走目前。巡業中、前日20日までも、土俵下で基礎運動で汗を流していた。相撲を取る稽古に踏み切ったのは、この日も行った土俵下でのすり足の最中だという。「すり足して、最後に後ろ向きでやっていた時に『調子がいいぞ』『できるぞ』と思ってやった。年内に実戦的な稽古をやれるか、年が明けるかと思っていたけど、早くできたので一安心」と、初場所(来年1月13日初日、東京・両国国技館)に向けて、好感触を得た様子だった。

指名された正代は「印象は、相変わらず強いなという感じ。久しぶりの稽古という感じはしなかった」と振り返った。一方的な内容も多かったが、白鵬は「流れは一番、一番違うから、頭をつけてみたり、いろいろやった。体重を預ける感覚とかもあるから」と、相撲勘を取り戻す作業にも余念がなかった。