進退問題が浮上している大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が初場所(13日初日、東京・両国国技館)への出場を明言した。10日、都内の部屋で四股、すり足などの基礎運動で汗を流した後「非常にいい流れでやれていると思う。思い通りに近いところにきているし、焦りもない。あとは場所に臨むだけ」と話し、ここまでの調整、初場所での活躍に自信を見せた。

前日9日の二所ノ関一門の連合稽古では、先場所優勝の新関脇貴景勝を8勝1敗と圧倒した。弟弟子の大関高安が体調不良で、あらかじめ稽古を休むことが決まっており、部屋には他に関取衆が不在だけに、出稽古なども予想されたが部屋での調整を選択。親方衆や解説者らからは、3勝3敗だった7日の稽古総見、前日の連合稽古と番数の少なさを指摘されたが「(報道は)番数とか好きだけど、それに偏りすぎている。人とやる稽古もあるし、自分と向き合う稽古もある。(12月の)巡業に出なかった分、体を見つめ直すことができた。今日もいい稽古ができた」と、いたって順調だと強調した。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、9場所ぶりに皆勤して10勝した9月の秋場所前と比較し「比べものにならないぐらい良い。気持ちの面も、体も動いているし」と、出場に“待った”をかけるつもりはない。進退が懸かる状況についても「横綱は番付で一番上。上がった時から負けられない。自分の相撲を信じていくしかない。自分の相撲を取れば、結果はついてくる」と話し、好成績を期待していた。